知的戦闘力を高める哲学
”独裁による秩序か、自由による秩序か” ホッブズ
リヴァイアサンとは
リヴァイアサンというものを知っているだろうか?
リヴァイアサンとは、キリスト教の『旧約聖書』「ヨブ記」の中に出てくる、人知の及ばない巨大なパワーを持つ、怪物のことである。
この物語のベースとしては、精神性や情緒性を排除した時計仕掛けのように、メカニカルな世界観を表現している。これは専門用語で、「唯物論的世界観」「機械論的世界観」という。
現代の社会システム
現在の世界システムは2つの特徴がある。それは
①人間能力に、大きな差はない。
②人間が欲しがるものは、希少で有限である。
この特徴によって、社会の状態は「万人の万人に対する戦い」になる。
これがいわゆる「ディストピア」だ。
ディストピアとは、ユートピア(理想郷)の反対の意味を持ち、政治的・社会的課題をはらむ社会のことを示す言葉である。
ホッブズはこのような社会の中で、安全な状態を実現するためには、強大な国家権力が必要だと述べている。その国家権力は当初に述べたように、人知の及ばない怪物、リヴァイアサンのような怪物的な力が必要だということだ。
誰にも手に負えない、立ち向かえないほどの国家権力、これが結果的に国民の為になる。
まとめ
これは現代人の我々にとっては、少々過激に感じるかもしれないが、ホッブズが生きた当時は、血で血を洗う「ピューリタン革命」の真っ只中であった。革命を力で押さえつけられるほどの強い権力が、当時一部の民衆の間で必要とされていたと考えることは難しいことではないだろう。
Thank you.