【使える物理】「温度」とは何か?簡潔に説明してみた。
はじめに
日本は四季折々の気候があります。夏は暑く、冬は寒い…。
これらは日本で当たり前の現象ですが、そもそも温度とはどのような存在で、どのような尺度で計られているのでしょうか?
というわけで今回は、「温度」という概念の正体を暴いていきましょう。
「温度」の正体
我々が一年中、「暑いなあ、寒いなあ」といっている根本概念、温度とは一体何なのでしょうか。
順を追って見ていきましょう。
結論
温度というのはズバリ
原子の振動の大きさ
のことを言います。
つまり振動が小さいほど温度は低く、振動が大きいほど温度が高くなる。
さあ、ここで質問です。
物理学において存在できる温度の最高は何℃か、最低は何℃か知っていますか?
考えたこともないですよね?
例えば、イメージしやすいところから見ていきましょう。まずは高い温度からです。
最高温度は何℃?
まず、この世に存在する最高温度は何℃だと思いますか?
みなさんが入るお風呂の温度がだいたい40℃前後ですよね。
続けていきなり飛びますが、鉄を溶かす製鉄所の溶鉱炉の中は約1600℃、エンジンのシリンダー内の温度は最高で約2000℃を超えます。
宇宙空間では、太陽の表面温度は約6000℃、中心部(コアの部分)は約1500万℃あるとされています。ここまでくると全くピンときませんが、こんな高温では近くに行くことすらできず、物は一瞬で灰と化します。
結論を言うと、理論上、温度に上限は無いと考えられています。
最低温度は何℃?
では逆に、「最低温度」はどうでしょうか。
低い温度というと、まず思いつくのが「氷」です。理科の授業でやったと思いますが、水は0℃になると凍ります。しかしこの世にはさらに低い温度で存在するものがあります。
以下が低い温度で存在する物質の目安です。
ドライアイス -79℃
液体窒素 -196℃
液体水素 -253℃
液体ヘリウム -269℃
最初に言っように、温度は原子の振動の大きさです。
つまり温度が低くなるほど原子の振動は小さくなります。そして極限まで小さくなると、最終的には全く停止(全く動かない状態)します。
つまりこの「振動の停止状態」が存在できる最低温度である、ということです。
最低温度、つまり原子の振動が停止する温度は-273.15℃です。
この「原子が全く停止する温度」にはある名称がついています。ポケットモンスターをやったことがある人はご存知かもしれません。そうです。カイオーガが使うあの技です。ちょっと前にはドラマの作品名にもあったような。
この温度のことを「絶対零度」といいます。(※ただし、量子力学においては、絶対零度でも原子は停止しないとされている)
絶対零度の状態では宇宙の万物が停止するため、この世には-273.15℃以下の低温は存在しない、という結論に至ります。
まとめ
温度とは「原子の振動の大きさ」であり
最高温度には上限が無く、最低温度は-273.15℃である。
ということです。
thank you.