【薬酒研究】臓器を癒やす美味しいお酒
突然ですが、あなたは自分の「臓器」に思いを馳せたことはありますか?臓器はあなたの精神や身体を自由にしてくれる、生物の「原動力(エンジン)」です。知らず識らずのうちにあなたは臓器を酷使し、疲弊している可能性があります。今こそ、日々の忙しさから自分の臓器をいたわる機会を作りましょう。臓器をいたわるにはどんな方法が適しているのでしょう。
目次
「薬酒」のルーツ
健康ノウハウ戦国時代
今、健康についてのノウハウがたくさんあります。様々なメディアでこうしたら良い、ああしたら良いが溢れています。日頃思うのは、人間一人ひとりのDNAや性質に個体差があるのに、全員に共通する答えはあるのだろうか?ということ。無理なく、楽しく健康になりたいと誰もが思う。
健康になるための方法に求める条件は
1 効果的である
2 手軽で始めやすく、無理なく継続できる
3 自分に合っている
ではないでしょうか。
この条件であれこれ追究してたどり着いたのが「薬酒」です。
「薬酒」とは
薬酒とは、その名の通り、「薬」です。私たちが普段目にしている食材にはすべて、薬効成分が含まれています。それらの食材をアルコール度数の高い原酒(ホワイトリカー)に漬け、摂取することで不調の原因を狙い撃ちすることができます。
そもそも薬酒のルーツは「漢方」です。漢方の考え方の一つに「五臓」というものがあります。これに基づく体質タイプから、あなたの不調のシグナルを解明していきます。
漢方では、私たちの体の中の臓器やその働きを「肝(かん)」「心(しん)」「脾(ひ)」「肺(はい)」「腎(じん)」の5つに分類したものを「五臓」といいます。
「五臓」
“五臓六腑に染み渡る”
この言葉を聞いたことはありませんか?
飲んだものが内蔵全体に染み込んでいく様、染み込んでいくように感じられるほど美味しいもの、という意味で使われることがあります。
薬酒はこの「五臓」によって構成されています。「五臓」とは、器官の働きや生理機能を5つに分類したものです。
西洋医学を呼び方は一緒ですが、厳密には同一ではなく、もっと広義に捉えたものです。
器官の働きと生理機能
①肝 五臓のバランスの調整。自律神経、運動神経の調整。血液の貯蔵。⇨つなぎ系
②心 血液、体液の循環。脳と関係して、情緒や意識を調整。睡眠の調整。⇨メンタル機能系
③脾 消化吸収の調整。血液もの流れを調整。筋肉の形成。飲食物の栄養吸収と運搬。⇨肉体形成系
④肺 呼吸機能の調整。水分の代謝、排出。嗅覚の調整。不要な飲食物の排出。⇨循環器官系
⑤腎 成長、発育、生殖エネルギーの貯蔵。水分代謝、聴覚の調整。尿の貯蔵と排出。⇨タンク系
自分の臓器への理解を深める
あなたの臓器タイプは?
五臓は「不調のシグナル」を見極める基準にもなります。
自分の疲れやすい臓器について考えてみましょう。
Q.あなたが最も近い症状はどれですか?(更に詳しいセルフチェック、出典:渡邉修著、薬日本堂監修『未病を治す薬膳酒』)
A 目が疲れやすい、頭痛、更年期障害、自律神経失調症、眠れない、イライラする、だるい、シミ、じんましん
B 憂鬱になる、動悸や息切れ、胸の圧迫感、のぼせや手足がほてる、眠れない、イライラする、だるい
C 過敏に反応してしまう、月経不順、ニキビや吹き出物、唇が荒れる、口内炎、胃痛や食欲不振、腹部の膨張感、むくみやすい、味覚が鈍い
D 皮膚が乾燥しやすい、喉の乾燥や腫れ、咳、痰、下痢、便秘、花粉症や鼻炎、アレルギー
E 腰痛がある、だるい、むくみ、トイレの回数が増える、冷え性、月経不順や月経痛、めまいや耳鳴り、シミやシワ、抜け毛や白髪
当てはまるものはありましたか?
では気になるタイプを見てみましょう。
五臓タイプ
A「肝」タイプ
~イライラ、ストレスが多い~
Point 肝とは、肝臓、胆のう、筋、目、爪
体力があるときは頭の回転が速く、ハキハキしている反面、イライラしやすいタイプ。些細なことが気にかかり落ち着きません。一方、体力がなくなると、体のバランスを崩して思考が鈍くなり、無気力や気分が塞ぎやすくなります。
B「心」タイプ
~気持ちが不安定で落ち着かない~
Point 心とは、心臓、小腸、舌、顔面
体力があるときは頭の回転が速く、ちょっとしたことでイライラしやすく、妙にはしゃいだりと情緒不安定なタイプ。物忘れが多いことも。体力がなくなると、何をやっても楽しくなく、不安感に襲われ、力が入らない。
C「脾」タイプ
~胃腸虚弱、くよくよ悩む~
Point 脾とは、脾臓、胃、口、唇、筋肉
体力があるときは、溜まったストレスを食事で解消しようとするタイプ。また、行動する前に考えすぎてしまい、石橋を叩いて渡る。体力がなくなると、悩みすぎて食欲がなくなったり、体がだるくなる。
D「肺」タイプ
~アレルギー体質、皮膚や喉が弱い~
Point 肺、大腸、皮膚、鼻
体力があるときは、感受性が豊かで喜怒哀楽が大きいため、悲しみも強く感じやすいタイプ。物事を深く考えすぎてしまう。季節の変わり目に弱く、一度風邪を引くと治りにくい。
E「腎」タイプ
~生命力が弱っていて、元気がない~
Point 腎とは、腎臓、膀胱、耳、泌尿器、生殖器
ちょっとしたことでも驚きやすく、心身ともに臆病なタイプ。体力がなくなるとおどおどしてしまい、何をするにしても自信がなくなる。記憶力が低下して考えがまとまらない、いくら寝ても寝足りない。
最後に
自分に近い症状はありましたか?
先述したとおり、薬酒は症状に狙い撃ちができることを強みとしています。
それぞれのタイプに適した薬酒があります。
ぜひ、自分にあった薬酒はどのようなものなのか、チェックしてみましょう。
また、薬酒を作らずとも、買い物に行った際に、食材選びの視点の1つになるとよいかと思います。