シェリー・ケーガン『「死」とは何か』を要約してみた。

はじめに

人間は「死」に対して、「不安」や「恐怖」を感じる。

「死」という概念に対する接し方がわかりやすく書かれており、とても興味深い内容となっている。

 

本書の内容

テーマは、なぜ我々は「死」に対して恐怖を感じるのか。

見て見ぬふりをしがちだが、いったん考えてみよう。

 

結論

結論から述べると、著者シェリー・ケーガンは

「死」は恐れるのではなく、「仲間」にすることができる

としている。

このことを理解するために、我々が死を恐れる理由を挙げている。

 

なぜ「死」が怖いのか。

我々が「死」を怖がる理由は以下のとおり。

1「未知のもの」と感じる

まず「死」を簡単にイメージすることから始める。第一に自分が一人死んでも大きく変わることはない。

身近なことで例えるならば、自分が会社を休んでも会社は回る。死んだとしても多少の違和感を残して社会は回る、ということ。

死後の世界にも言及しており、魂は存在せず、人格、思考は「無」になる。

また我々が生を実感できている期間、つまり生きている期間は「地球の歴史」というスケールで考えると非常に短いことがわかる。つまり生きていない期間の方が圧倒的に長いということ。

そして著者は「死は未知のものである」ということを否定している。

我々は死と同じ状況をお母さんの中で胎児のときに経験済みであるからだ。

 

2剥奪説

それでも怖いのはなぜか。人格や思考がなくなると考えると、たしかにまだ怖さがある。

その答えは、「死ななければ、もっと楽しい人生があった」と考えるから。

これを「剥奪説」という。もっと生きていれば、「死」によって時間が奪われなければ、もっといろいろなことができたのにという思考に至るからである。

全てをやり切ったと考える年配の方は、死に対して比較的寛容である。

つまり

これからの未来が楽しくなる ⇨ 死にたくない

未来がどんどん暗くなる ⇨ 死にたくなる(死ぬのが怖くない) ⇨ 自殺の根源

だからこそ大半の自殺は、おかしい。

 

まとめ

人生には受験の失敗や失恋など数えればたくさんの挫折があるが、それらの大半は問題ではない。今はつらい状況が続いているかもしれない、しかし、未来はわからない。

「死」が怖いという状況は、未来に希望が持てる幸せな状況である。

「死」が怖くなくなる程に、現在と未来を頑張る。

「死」という概念を仲間にしていく。

「死」とは単なる時期であり、豊かな未来を創り出すための「原動力」になる。

 

Thank you.

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