知的戦闘力を高める哲学
フロー
“人が能力を最大限に発揮し、充足感を覚えるのは、どういうときか?” チクセントミハイ
「フロー」とは?
「ゾーンに入る」という言葉を聞いたことがあるだろうか? 経験したことはあるだろうか?人間は「ここぞ」というとき、想像を超える高いパフォーマンスを見せることがある。アスリートなどがよくいう「ゾーンにはいった」や「火事場の馬鹿力」がまさにそれにあたる。
このような現象を「フロー」という。
フローはコントロールできるのか?
フローとは、どのような時に発生するのだろうか。いきなり訪れる現象で、こちらの意思とは反するものなのだろうか。どうやら、そうでは無いらしい。ある条件下のもと発生するという。ならば、誰もがきっと、フローの発生をコントロールし、高いパフォーマンスを得たいと思うだろう。
アメリカの心理学者、ミハイ・チクセントミハイは、このフローという現象を、単に偶然の産物では無いという。
9つの要素
フローを生み出す大きな9つの要素がある。
1 過程の全ての段階に明確な目標がある
2 行動に対する即座のフィードバックがある
3 挑戦と能力が釣り合っている。
4 行為と意識が融合する
5 気を散らすものが意識から締め出される
6 失敗の不安が無い
7 自意識が消失する
8 時間間隔が歪む
9 活動が自己目的的になる
結論
フローとは、継続して行い、物事に対する習熟度が高まり、それをコントロールした結果、取り組みがコンフォートゾーンに入るまでの一連の動きである。
自分の技量とタスクの難易度は常にダイナミックな関係にあり、フローを体験し続けるには、その関係を主体的に変えていく必要がある。
フロー、いわゆる「ゾーンに入る」という現象は偶然ではなく、それまで己の技量と努力、適切な課題設定によって生まれる無我の境地である。弛まぬ自己研鑽を積める人に訪れる、奇跡とは異なる必然現象である。